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体外受精と顕微受精の違い

sebagee / Pixabay

 

「体外受精」と「顕微授精」の違いについて 

 
 不妊治療を始めて「人工授精」まで試してみたけれども、上手く行かない場合や、不妊症検査を行なって不妊の原因が精子や卵子にある場合は、「体外受精」や「顕微授精」に進むケースもあります。この二つの治療法は、受精卵や胚に対して働きかける方法であるため、『高度生殖医療』と呼ばれています。 

今回は、「体外受精」と「顕微授精」について、それぞれの治療方法や違いについてご紹介したいと思います。 

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 ◆「体外受精」と「人工授精」の違い 

 まずは、「体外受精」の特徴を理解して頂くために「人工授精」との違いを見ておくことにしましょう。「体外受精」と「人工授精」は、どちらも精子と卵子が自力で受精を行うようにサポートする治療という点では同じです。 

「人工授精」の場合は、より良い精子を選別して受精のサポートを行ないますので、あくまでもサポートするのは「精子」ということになります。 

けれども、「体外受精」の場合は、精子のサポートだけでなく、卵子に対しても積極的に働きかけて受精のサポートを行ないます。 

そのため、卵子が卵管膨大部までたどり着くことができない卵管障害があるケースでも、医療技術のサポートによって、精子と卵子が出会える場と機会の提供が可能になりました。 

 
 ◆「顕微授精」の特徴 

 次に、「顕微授精」の特徴について見てみることにしましょう。 

「体外受精」同様、高度な医療技術で精子と卵子に積極的に働きかけて体外で受精させる治療方法です。「顕微授精」と「体外受精」で大きく異なる点は、「受精」の手助け自体を高度な医療技術を用いて行うという点になります。 

「顕微授精」の治療を行なうことで、これまで体外受精でも妊娠することができなかった人にも妊娠の可能性を開いた画期的な治療方法と言えます。 

卵子や精子の採取方法は「体外受精」の場合と同じなのですが、「顕微授精」の場合は医療器具を使って卵子に直接精子を送り込むことで授精させます。そのため、卵子や精子を少量しか採取出来ない場合でも、妊娠する確率は体外受精よりも格段にアップすることが出来ます。顕微授精による受精率は約50〜70%と言われています。 

けれども、受精がそのまま妊娠に結びつかないケースもあります。ご存知の通り、妊娠するためには受精卵が子宮内膜に着床することが必要です。けれども、顕微授精によって授精した受精卵を子宮に戻した場合、妊娠が成功する確率はおよそ5.6%と言われています。つまり医療技術の進歩によって受精卵を作り出すことは可能になりましたが、妊娠から出産までの確率を高くすることは現在の医療技術では難しいということになります。 

 

◆体外受精の流れ 

「体外受精」がどういう流れで行われるのか見てみることにしましょう。次のような流れで行われます。 

☆排卵を促して採卵する 

体外受精は、女性の卵巣内で体外受精に必要な受精能力を持った成熟卵胞を育てるところから始まります。不妊症検査で卵巣機能や排卵機能に異常が見つかった場合は、ホルモン剤を投与したり排卵誘発剤を使ったりすることで、卵胞の成長を促します。 

そして正常な生殖能力を持った成熟した卵胞を膣口から挿入した専用の器具を使って膣壁越しに卵巣から卵胞液と一緒に吸引し採取します。こうして取り出した卵子の中から優良な卵子を選別して培養しておきます。 

 

☆精子を採取する 

採取した精子を遠心分離機での洗浄やスイムアップ法、パーコール法等を行なって優良な精子を選別し、濃縮し培養します。 

最近では保存技術の発達によって事前に精子を採取しておくことが可能になりましたので、以前のように受精させる1〜2時間前までに採取する必要はなくなって来ています。 

 

☆精子と卵子の出会いの場を提供する 

選別した卵子の入った培養液に、濃縮・選別した精子を加えます。培養液の中で精子が卵子と受精するために、積極的に働きかけることは一切行いません。あくまでも精子と卵子が持っている自然の力に委ねられています。 

精子を加えてから約12〜24時間の間に受精が行われますので、受精する事が出来ていた場合は、細胞分裂が進むまでそこで培養されます。 

受精後2日目頃から分裂が始まります。4日目頃には受精卵の中は細胞分裂した細胞で埋め尽くされます。この状態のことを「桑実胚」と呼びます。受精後5〜6日には「胚盤胞」と呼ばれる状態になります。この「胚盤胞」まで培養することが出来れば着床率や妊娠率がグンとアップします。何故かと言いますと通常の妊娠で、卵管で分割をして子宮に着床するときの胚の状態がこの「胚盤胞」だからです。 

 

☆受精卵(胚)を子宮に戻す 

培養液の中で育てられた受精卵(胚)は、状態を確認した上で子宮内へ戻されます。この時、複数受精卵ができていた場合には形態検査などを行ない質の良い胚だけが選ばれます。戻された受精卵が着床すれば妊娠したことになります。 

 

◆顕微授精の流れ 

それでは、「顕微授精」の流れを見てみることにしましょう。卵子と精子の採取までは「体外受精」と同じですし、受精後培養し子宮に戻す手順も同様に行われます。 

「顕微授精」の場合「授精方法」が大きく異なり、以下のような方法で行われます。 

 

☆顕微鏡の下で授精が人の手によってサポートされる 

選別された精子を「ピペット」と呼ばれる先が尖ったガラス管に入れて、卵子の外側の膜(透明帯)を貫通して、卵子の細胞の中に直接精子を注入します。「顕微授精」の場合はこうして授精まで人がサポートすることになります。こうした一連のサポートは全て顕微鏡を見ながら行われます。 

また、「顕微授精」とは精子注入する方法の総称になります。現在は、「顕微授精」の方法の中では「ICSI(卵細胞質内精子注入法)」が行われています。PZDやSUZIと呼ばれる方法での顕微授精もありますが、ICSIに比べて授精率が低いため使われることはなくなってしまいます。 

 

「体外受精」と「顕微授精」についてご紹介して来ましたが、『高度生殖医療』のサポートを受けても妊娠の成功確率は年齢に大きく左右されてしまうのが現状です。「体外受精」と「顕微授精」による出産確率は、女性の年齢が33歳くらいまでの場合は約20%ありますが、40歳では8.8%、45歳では0.8%と急激に下がってしまいます。こうした年齢による確率の減少を理解された上で治療を始める時期を検討されることをお勧めします。 

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