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人口受精成功のポイント

ALESSA_ABRAMOFF / Pixabay

「人工」という言葉のせいで、「人工授精」について誤解をされている方が結構いらっしゃるようです。中には「体外受精」と混同してしまっている場合もあります。 

そこで、今回は「人工授精」について分かりやすくお伝えしたいと思います。 

  ◆人工授精にはどんな方法があるの? 

 人工授精は、女性の排卵日に合わせて、前もって採取していた精子を子宮内に注入して、受精卵を作る確率をあげる方法です。 

以前は、「人工授精」の方法として、精液をそのまま子宮に注入するという方法を行なっていました。けれども、この方法では妊娠率がとても低い上に、精液内に細菌などが入ってしまったり、精液の中に受精を阻害するような物質が存在したりしているため、現在ではこの方法を行なうことは少なくなっています。 

現在行われている方法には、スイムアップ法、遠心分離法、精液静置法、パーコール法、精子洗浄濃縮法などがあります。スイムアップ法が多くの医療機関で採用されています。 

これらの方法の中から、スイムアップ法とパーコール法について、もう少し詳しく見てみることにしましょう。 

 
 ☆スイムアップ法 

 スイムアップ法は、あらかじめ採取しておいた精液の中から、質の高い精子だけを集める方法です。「遠心分離法」で選ばれた精子に培養液を加えて30分ほど置いておくことによって、運動能力の高い精子が浮き上がって来ます。この浮き上がって来た精子を採取して、子宮に注入します。 

 ☆パーコール法 

 パーコール法は、女の子の産み分け方法の1つになります。 

前もって採取しておいた精液をパーコール液に入れて遠心分離器にかけ、X精子とY精子を分離しこの中からX精子だけを取り出して子宮に注入します。 

けれども、この方法は安全性が確認されていないとの理由から1994年から2006年まで日本産婦人科学会で使用を禁止していました。 

2006年4月に日本産婦人科学会はパーコール法の禁止を撤回しましたが、その発表の中で「X精子とY精子を完全に選別することはできない」点について言及しています。 

パーコール法の産み分けの成功率は60%〜70%と言われています。もし、この治療方法を選択される場合は、成功率が100%でないことを理解した上で、治療を受けられることが大切になります。 

  ◆人工授精による治療が向いているケース 

 人工授精の方法について見て来ましたが、それでは不妊治療として人工授精が向いているのは、どういうケースでしょうか?  

それには、次のようなケースがあります。 

 
 ☆男性の側に不妊の原因がある場合 

 最も高い効果が期待出来るのは、女性の方の排卵がきちんと行われているのに、男性の精子の数が少なかったり、運動率が低い精子が多かったりする場合になります。この場合はスイムアップ法などを使用することで運動率の高い精子を選別して受精させることが出来るからです。 

☆子宮頚管粘液が不足している場合 

 排卵が近づいて来ると精子を受け入れやすくするために子宮頚管粘液が増加する仕組みになっています。この子宮頚管粘液の量が不足してしまっていると、精子は子宮の中に入って行くことが出来なくなってしまいます。人工授精によって精子と卵子の距離を縮めることが出来ます。 

 ☆女性の方にパートナーの精子に対する抗体(抗精子抗体)がある場合 

 人間は身体を守るために、異物が体内に侵入して来たときに異物を排除しようとします。これを抗体と言います。そのため、パートナーの精子に対して抗体が出来てしまうと、パートナーの精子を異物と認識してしまい、これを排除して追い出そうとするようになってしまいます。こうなってしまうと自然に授精してしまうことがとても難しくなってしまいます。 

この抗体反応は膣内で起こりますので、膣を通過することなく直接安全な子宮内に精子を注入することで、抗体反応を回避することが出来ます。 

抗精子抗体の有無は女性の血液を検査すれば分かりますので、不妊症検査でチェックします。 

 
☆不妊の原因が分からない場合 

 不妊症の検査を行なっても、男性、女性両者ともに異常が認められない場合にも、人工授精が行われます。この治療を行なう理由は、精子と卵子の距離をより縮めることで妊娠の可能性を高めるという意図と、体外受精などの高度生殖医療にいきなり取り組む前の段階的アプローチという側面があります。 

 ◆人工授精を成功させるキーポイント 

 人工授精の成功のカギは、正確に排卵のタイミングにあわせて精子を注入出来るかどうかにかかっていると言えます。そのため、経膣超音波による卵胞の計測を行なったり、生理が始まった直後から計画的に排卵誘発剤を使用したりして排卵を誘導して人工授精を行なう場合もあります。 

また、排卵する卵の数が多い方が妊娠しやすいという理由から、ゴナドトロピン(hMG-hCG)療法を併用する場合もあります。ゴナドトロピン療法とは排卵障害による月経異常や不妊がある場合、卵胞の成長と排卵を注射で促す治療法です。 

人工授精の方法や適応範囲について見て来ましたが、どのような症例に対して行なうかによって、その妊娠率は異なって来ますが、平均的には5〜10%とそんなに高いものではありません。人工授精の治療を始める前にこのことをあらかじめ知っておくことは必要だと思います。そのため、人工授精はその妊娠率の低さから5〜10回行なってみたけれども、残念ながら妊娠しなかった場合は、人工授精の治療を受け続けるか、次のステップである体外受精の治療を始めるかどうか決めることが必要になって来ます。 

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