不妊治療 妊活

不妊検査について

妊娠をサポートする「不妊治療」とそれを取り巻く環境


現在、不妊症に悩んでいるカップルは、毎年増加傾向にあります。日本での不妊症の患者数は40万人を超えているとされていますが、これはあくまでも医療機関から不妊症と診断された人たちの数ですので、水面下ではもっと多いかも知れませんね。

また、不妊症に悩むカップルは他の国々でも10〜15%に上ると言われています。世界中であなたと同じ悩みを抱えている人がとても多いことをお分かり頂けるのではないでしょうか?

つまり、世界中で不妊治療を受けている人はかなりの数に上っていることになりますが、日本での不妊治療事情は他の国と比べてかなり特殊な状況にあります。そうした点を踏まえて「不妊治療」について様々な角度から探ってみたいと思います。

◆不妊治療とは?


まずは、不妊治療とは、どういう治療なのかみてみることにしましょう。
不妊治療は、不妊の原因を検査することから始まります。そして、不妊の原因となる病気が見つかった場合は、その原因を解消するために薬の投与や手術を行ないます。しかし、実際には何も原因は夫婦ともみつからないのに、なかなか妊娠しないという状況も多くみられます。

なかなか妊娠しない場合は、「体外受精」や「顕微授精」治療を行なうことになります。これらの医療を高度生殖医療(ART)と言います。
日本でこうした不妊治療を行なう医療機関数はおよそ600軒と言われています。アメリカでは約500軒、中国には約300軒あると言われていますので、日本は世界で最も多い国と言えます。

 

また、治療件数も世界トップで、なんと新生児の3%弱が体外受精によって誕生している状況です。不妊治療の場合は、治療期間は妊娠・出産まで続くことになりますので、治療を始めた段階でいつ終わるのか明確にすることが出来ません。そのため、経済的な面ばかりでなく、精神的な面での家族や周囲の理解や励ましが必要な治療と言うことが出来ます。

◆日本の不妊治療事情


日本と世界各国との不妊治療に対する考え方や取り巻く環境の違いを示す興味深い調査がありますので、ご紹介しておきましょう。
2009年〜2010年にかけてイギリスの研究グループによって行われた世界18ヶ国、約1万人のカップルを対象とした国際調査によりますと、日本は海外に比べて不妊に対する知識がとても低い上に、不妊について家族や友人たちと語ることや不妊治療に対して積極的でないことが示されています。
これらの点についてもう少し具体的に見てみることにしましょう。

◆不妊に対する知識不足


まずは、不妊に対する基本的な知識不足にはどのようなものがあるのか見てみることにしましょう。

☆不妊の原因は男女どちら?

不妊の原因は、男女どちらにある場合が多いと思いますか?WHO(世界保健機構)の発表によると次の通りになります。

・女性のみに原因がある 41%
・男性のみに原因がある 24%
・男女双方に原因がある 24%
・原因不明 11%

「男性のみに原因がある」24%と「男女双方に原因がある」24%を合わせると48%になりますので、不妊の約半分のケースでは男性もその原因になっていることになります。
そのため、不妊治療を行なう際には、必ずカップルで受診することが大切になって来ることがお分かり頂けるのではないでしょうか?
それにも関わらず、日本の場合は女性のみが不妊検査の受診を行ない、不妊治療を行なっているケースが未だに多く見られているのはとても残念なことです。

☆女性の妊娠力の低下はいつから?


また、女性の妊娠力の低下に関する認識もとても低く、「36歳を境に、女性の妊娠力は低下しますか?」という質問に対する正解率は、次の通りでした。

・カナダ 82.1%
・イギリス 71.9%
・日本 29.6%

こうした「女性の妊娠力の低下」に対する認識の低さから、不妊治療の開始時期が遅れてしまい、妊娠する機会を逃してしまっている可能性がとても高いと言えるのではないでしょうか?
医療技術の発達によって、病気や怪我の治癒率がアップし延命することは可能になって来ましたが、残念ながら妊娠力を長期にわたって維持することには、未だ成功してはいません。ですので、現在の医療技術によって可能なことと不可能なことを理解しておくことも大切なのではないでしょうか?

◆不妊についてオープンにすることが出来ない?


また、不妊について家族や友人に相談したり話したりする機会や、不妊治療に対する積極性についても、日本は最下位になっています。
つまり、誰にも相談することなく不妊に悩んでいる人の数がとても多いことになります。相談する相手がいない状況というのは、実はとても大きな危険をはらんでいる場合があります。

インターネットの発達で、自宅にいながらにして様々な情報を簡単に集めることが出来るようになりました。けれども、そうして集めた情報が常に正しい情報であるとは限りません。中には間違った情報も…。
不妊について語ることへの閉鎖性は、間違った情報を正しい情報と勘違いしてしまう危険性や、誰にも相談することが出来ず1人で悩みを抱えることによって精神的に不安定になってしまう原因と言えるのではないでしょうか?

「不妊治療」とその現状についてご紹介して来ましたが、残念ながら日本は決して良い環境にあるとは言えそうにありません。
生殖補助医療の実施件数は、日本は25万件近くあるにも関わらず、成功率はわずか数%という調査結果もあります。他の国々では実施件数も日本よりも少なく、成功率は15%〜35%となっていますので、他国に比べて日本の成功率はかなり低い状況です。こうした状況を改善するためには、不妊に対する正しい知識と周囲の理解や協力が不可欠と言えるのではないでしょうか?

不妊検査について


「不妊検査」について事前に知って不安を解消

初めて行く場所というのは、何かと不安なものですよね。けれども、前もって交通手段や周囲の環境を調べておけば、道に迷うことなく目的にたどり着くことが出来ます。
「不妊検査」についても、同じことが言えるのではないでしょうか?そうした不安を解消して頂くために、「不妊検査」の内容や目的などについて調べてみましたので、是非、参考にして下さい。

◆不妊検査の目的とは?

不妊検査の目的から確認しておきましょう。その目的は不妊症の原因を探して、原因に応じた治療を行ない妊娠につなげること!
女性の月経周期に合わせていくつかの検査を行ないますので、検査には1ヶ月〜2ヶ月必要になります。

◆不妊検査にはどんな項目があるの?

それでは、不妊検査にはどんなものがあるのでしょうか? 不妊検査には様々な検査があります。まずは主な検査項目ついてご紹介しておきましょう。

☆問診・視診・内診

初診のときに必ず行います。月経の状態、妊娠・分娩の有無、ホルモン分泌、子宮の大きさや異常、卵巣の異常などを調べます。

☆超音波検査

超音波を使って子宮や卵巣を画像に映し出すことによって、それぞれの器官の状態をチェックします。

☆血中ホルモン検査

不妊治療の鍵を握る検査とも言えます。排卵や妊娠に欠かすことが出来ないホルモンの分泌について調べることが出来ます。

☆ヒューナー検査

子宮頸管粘液と精子の相性を調べることが出来ます。この相性が悪いと妊娠する可能性が低いということになります。

☆抗精子抗体検査

ヒューナー検査の結果が悪い場合に行ないます。女性の側で抗精子抗体を作ってしまっていないかどうか調べます。
抗体とは、自分とは違った異物が体内に入り込んだとき、そのたんぱく質に反応し、体から追い出すためにできる対抗物質のことなのはご存知の方も多いと思いますが、特定の精子に対して抗体が作られてしまうと、体外に追い出してしまうようになってしまいます。

☆通水検査

子宮に抗生物質を含んだ液体を注いで、その流れ方を観察します。これによって卵管の通り具合を知ることが出来ます。

☆子宮卵管造影検査

レントゲン撮影によって、卵管と子宮の異常を調べることが出来ます。

☆子宮鏡検査

子宮内腔の状態を調べることで、受精卵が着床するのに問題がないかどうか分かります。

☆腹膣鏡検査

卵管采や卵管周辺にわずかでも癒着がないかどうか、卵管留水腫や初期の子宮内膜症の有無を調べることが出来ます。

☆AMH(アンチ・ミューラリアン・ホルモン)測定検査

AMHの値を調べることで、卵巣内に残っている卵の数が分かります。このホルモンは、発育途中の卵胞から分泌されます。

☆精液検査

精子減少症、精子無力症などと言った、自然妊娠の可能性が低くなってしまう因子がないか分かります。

以上のように、不妊検査にはそれぞれの調査目的に合わせて様々な検査があることがお分かり頂けたと思います。

◆基本的な検査項目

それでは、基本的な検査項目などについて、もう少し詳しく見ておくことにしましょう。

☆問診・視診・内診

健康診断でも、最初に行なうのは問診、そして視診、内診を行ないますよね。不妊検査も最初はこの順番で行ないます。
問診では、初潮年齢、結婚年齢、避妊期間の有無、月経の状態、妊娠や分娩の有無、病歴などについて確認されます。
視診では、体型、乳房の状態、膣分泌物などについて診断します。これによって、女性ホルモンや男性ホルモンの分泌の異常を推測出来る場合もあります。男性ホルモンが過剰な場合は、肥満や多毛として現れるケースもあります。
内診では、医師の触診によって、子宮の大きさや動き、子宮や卵巣に異常がないかどうか調べることが出来ます。子宮内膜症が疑われる場合は押さえると強い痛みがあるケースが多くあります。

☆超音波検査

超音波検査には、経膣法と経腹法があります。経膣法はプローベと言う器具を膣内に入れる方法になります。経腹法はプローベをお腹に当てます。
超音波検査では、以下のようなことが分かります。

1.子宮の異常や病気の有無: 子宮形態の異常、子宮筋腫、子宮腺筋症など
2.卵巣の病気の有無: チョコレート嚢胞、多嚢胞性卵巣症候群など
3.排卵の有無
4.排卵の時期

また、超音波検査では、卵胞の発育、破裂・排卵、黄体への変化を観察することが出来ます。

◆不妊治療において重大な鍵となる検査

初診で必ず行う検査について見て来ましたが、不妊治療において重大な鍵となる検査として血中ホルモン検査があります。この血中ホルモン検査の中でも「AMH(アンチ・ミューラリアン・ホルモン)測定検査」は、卵巣年齢が分かることから、大変注目されています。
AMHは卵巣の中の未熟な卵胞から分泌されているホルモンになります。そのため、卵巣の中に将来排卵される卵子を含んだ卵胞がたくさんある場合は、血液中のAMHの数値は高くなりますが、この数が減ってくるに従ってAMHの数値は低くなって来ます。
基本的には年齢とともに低くなって行き、卵胞が残り少なくなってしまうとAMH自体検出することが出来なくなってしまいます。
ただし、このAMHの数値は、必ずしも実年齢と相応しているとは限りません。むしろ実年齢とズレてしまっているケースが多いため、検査を行なっておくことは今後の妊娠の可能性を探る上でも重要な検査と言えるのではないでしょうか?

不妊検査の内容や目的等についてご紹介して来ましたが、検査前の不安を解消することに役立てて頂ければ幸いです。

SponcerLink

口コミ体験記事

1

不妊治療に必須の温活アイテム「サンマット」の口コミブログ   「不妊治療とは、温活が基本である!」 と、どこか ...

2

不妊治療をしていると、たくさんのサプリや鍼灸や運動や食事など、あらゆることで体質改善をはかっている人も多いと思います。そ ...

-不妊治療, 妊活

Copyright© チーム妊活 Youjyou Lifestyle , 2024 All Rights Reserved.